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標準引越運送約款条文解説

標準引越運送約款第1条第3項(適用範囲)

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本頁では、標準引越運送約款第1条第3項(適用範囲)について解説しています。

標準引越運送約款第1条第3項は、この標準引越運送約款とは異なる特約の取扱いについて規定している条項です。

標準引越運送約款第1条第3項(適用範囲)の条文

第1条(適用範囲)

1 この約款は、一般貨物自動車運送事業により行う引越運送及びこれに附帯する荷造り、不用品の処理等のサービスに適用されます。ただし、事業所等の移転又は当店が提供する定型の容器を用いて定額で行う運送であって、この約款によらない旨をあらかじめ告知した場合には、適用されません。

2 この約款に定めのない事項については、法令又は一般の慣習によります。

3 当店は、前2項の規定にかかわらず、法令に反しない範囲で、特約の申込みに応じることがあります。

標準引越運送約款第1条第3項(適用範囲)の解説

趣旨

本項は、この標準引越運送約款における特約の取扱いについて規定しています。

契約実務上、当事者の合意があれば、格別本項のような規定がない場合であっても、特約は有効となります。このため、本項は、あくまで確認・押念のための規定であるといえます。

なお、ここでいう「当店」とは、引越し業者のことをいいます。

「特約」とは

特約とは、原則の規定とは異なる特別な契約や約束のことをいいます。

つまり、本項における特約は、この標準引越運送約款とは異なる契約・約束のことをいいます。

引越し業者のための注意点:独自サービスは特約で対応する

標準引越運送約款は、内容が非常に大雑把なものとなっています。また、多くの引越し業者が使用することを想定しているため、契約の内容が最大公約数的なものとなっています。

このため、標準引越運送約款は、引越し業者が提供している最新のサービスや、競合他社との差別化を図っているサービスについて、対応しきれていない場合があります。

これらの標準引越運送約款が対応していないサービスについては、本項を活用した「特約」として内容を明確にする必要があります。この点について、後日のトラブルを防止するため、なるべく書式を整えておくべきです。

利用者のための注意点:特約は書面に残す

本項では、特約の取扱いを規定していますが、その記載は、引越し業者が特約の申込みに「応じることがあります。」となっています。逆にいえば、必ずしも特約の申込みに応じるとは限らない、ということです。この点については、注意が必要です。

また、実際に引越し業者が特約に応じた場合は、必ず書面でその内容を明確にしてください。

この点について、引越し業者がすでに正式なサービスとしておこなっている特約については、書式が整っていることが多いため、あまり問題はありません(ただし、その内容については別問題です)。

他方、正式なサービスでないとしておこなっていない特約については、書式が整っていないことがほとんどですので、どうしても営業員との口約束になりがちです。

このような口約束は証拠に残らないため、後で「言った・言っていない」のようなトラブルになることがあります。このようなことにならないためにも、見積書などへの営業員のメモでも結構ですので、書面に残るような形で特約を明確化しておいてください。

最終更新日2011年10月20日