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標準引越運送約款条文解説

標準引越運送約款第2条第2項(受付日時)

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本頁では、標準引越運送約款第2条第2項(受付日時)について解説しています。

標準引越運送約款第2条第2項は、引越し業者が受付時間を変更する場合の予告義務について規定している条項です。

標準引越運送約款第2条第2項の条文

第2条(受付日時)

1 当店は、受付日時を定め、店頭に掲示します。

2 前項の受付日時を変更する場合は、あらかじめ営業所その他の事業所の店頭に掲示します。

標準引越運送約款第2条第2項(受付日時)の解説

趣旨

本項は、引越し業者が受付時間を変更する場合の予告義務を規定しています。

受付日時を変更する場合、引越し業者は、本項の規定に従って、あらかじめ(=実際に受付日時を変更する前に)店頭に掲示しなければなりません。

本項は、予告なしに受付時間を変更されることによる利用者の不利益を防止するための規定です。

この点につき、「何を」掲示しなければならないのかが必ずしも明らかではありません。本条の趣旨から考えると、少なくとも、①変更する日、②変更後の受付日時―の2点は掲示する必要があるといえます。

「受付日時」とは

本項の「受付日時」の定義は明らかではありませんが、引越し業者が引越しサービスの申込みを受け付ける時間を意味しているものと思われます。いわゆる「営業時間」とは、必ずしも一致しない可能性があります。

なお、「受付時間」ですので、実際に引越しサービスを提供する時間を意味するものではないと思われます。

引越し業者のための注意点:必ず受付日時の変更は掲示する

本項は、引越し業者の義務を規定した条項であるといえます。ただ、これは、利用者との間で強力な法的拘束力がある条項というよりも、運送業者として(または事業者として)当然におこなうべき内容を確認したものと思われます。

このため、本項に違反したからといって、利用者との間で直ちに引越しサービスについての契約解除や損害賠償請求などの責任問題となるとはいえないものと思われます。

もっとも、店頭での受付時間の変更予告をしないことにより、個々の引越しの案件で利用者に迷惑をかけてしまった場合は、なんらかの形で責任が発生する可能性も否定しきれません。

このため、頻繁にあることではないとは思いますが、受付時間や営業時間を変更する場合は、なるべく早めに店頭やホームページなどに掲示するようにしてください。

利用者のための注意点:あまり影響のない規定

本項の規定により、引越し業者は、予告なしに勝手に受付日時を変更することができなくなっています。

このため、実際に予告なしに引越し業者に受付日時を変更された場合に何らかの不利益や損害を被ったときは、利用者は、理屈のうえではその不利益の補填や損害の賠償請求ができる可能性もないわけではありません。

しかしながら、受付日時が問題となるのは、引越しにおいては、文字どおり受付の時点での問題となります。この時点では、一般的には、利用者と引越し業者との引越しサービスの契約は成立していないことがほとんどです。

このような受付の時点では、(法的に補填や賠償の請求ができるような)不利益や損害が発生することはほとんどありません。

このため、引越し業者が本項に違反していたからといって、利用者としては、実質的には、特に何かの請求ができるわけではありません。せいぜい、変更後の受付日時を教えてもらうように請求できる程度でしょう。

最終更新日2011年10月20日