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標準引越運送約款条文解説

標準引越運送約款第3条第7項(見積り)

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本頁では、標準引越運送約款第3条第7項(見積り)について解説しています。

標準引越運送約款第3条第7項は、引越し業者による利用者に対する見積内容の確認について規定している条項です。

標準引越運送約款第3条第7項(見積り)の条文

第3条(見積り)

1 当店は、引越運送及びこれに附帯するサービスに要する運賃及び料金(以下「運賃等」という。)について、試算(以下「見積り」という。) を行います。

2 見積りを行ったときは、次の事項を記載した見積書を申込者に発行します。

(1)申込者の氏名又は名称、住所及び電話番号

(2)荷受人の氏名又は名称、住所及び電話番号

(3)荷物の受取日時及び引渡日

(4)発送地及び到達地の地名、地番及び連絡先電話番号

(5)運賃等の合計額、内訳及び支払方法

(6)解約手数料の額

(7)当店の名称、事業許可番号、住所、電話番号、見積り担当者の氏名及び問い合わせ窓口電話番号

(8)荷送人及び荷受人並びに当店が行う作業内容

(9)その他見積りに関し必要な事項

3 前項第5号の記載については、第3号及び第4号の事項並びに積込み、取卸し、搬出及び搬入作業、荷造り作業、開梱作業等に応じて運賃等の内容ごとに区分してわかりやすく記載します。

4 見積料は請求しません。ただし、発送地又は到達地において下見を行った場合に限り、下見に要した費用を請求することがあります。この場合には、見積りを行う前にその金額を申込者に通知し、了解を得ることとします。

5 当店は、見積りの際に内金、手付金等( 前項ただし書の規定による下見に要した費用を除く。) を請求しません。

6 当店は、見積り時に申込者に対して、この約款を提示します。

7 当店は、見積書に記載した荷物の受取日の3日前までに、申込者に対して、見積書の記載内容の変更の有無等について確認を行います。

標準引越運送約款第3条第7項(見積り)の解説

趣旨

本項は、引越し業者による利用者に対する事前の見積書の記載内容の確認について規定しています。

本項により、引越し業者は、荷物の受取日の3日前までに、利用者に対する確認をおこなわなければなりません。

確認の内容は「見積書の記載内容の変更の有無等」となっていますので、本項でいう「申込者」とは、契約が成立した利用者を想定しているものと思われます。

この点について、引越し業者との契約が成立していない利用者についても、引越し業者が本項にもとづく確認をおこなうべきかどうかが、必ずしも明らかではありません。

ただ、本項では、このような契約が成立していない利用者を排除するような記載はありませんので、引越し業者は、念のため、このような利用者にも確認をおこなうべきであると考えられます。

引越し業者のための注意点:3日前の連絡は解約手数料の請求の条件

本項は、引越し業者にとっては、利用者の最終的な意思を確認する意味で、非常に重要です。これは、未だ契約が成立していない利用者から最終的な承諾を得るためにも重要ですし、すでに契約が成立している利用者に荷物の変更がないかどうかの確認を取るためにも重要です。

それと同時に、本項の確認は、利用者からの解約の申出があった際の、利用者に対する解約手数料の条件のひとつとされています(第21条第1項参照)。

このため、本項の確認を怠った場合において、利用者からの解約があったときは、引越し業者は、利用者に対して、解約手数料の請求ができなくなります。

このようなミスを防ぐためにも、必ず荷物の受取日の3日前までに、利用者に対して、確認の連絡を入れるようにしましょう。

利用者のための注意点:無料解約の最終期限

本項により、引越し業者からは、「荷物の受取日の3日前まで」に、確認の連絡が入ります。この時点までに、荷物の内容などに変化があった場合は、必ず申告するようにしてください。

実際に連絡が入る日については、荷物の受取日の3日前「まで」となっているため、「荷物の受取日の3日前」である必要はなく、「荷物の受取日の3日前」よりも前であっても問題ありません。

ただ、引越し業者にもよりますが、なるべく直前のほうが引越し当日の状況の変化(荷物の増減など)がわかりやすいため、一般的には、引越し業者は、「荷物の受取日の3日前」に近い日程で連絡を入れるようです。

なお、「荷物の受取日の3日前」は、無料で引越しの契約を解約できる最終日でもあります。この日を過ぎて「荷物の受取日の前日」の解約の場合は見積書記載の運賃の10%、「荷物の受取日の当日」の解約の場合は見積書記載の運賃の20%の解約手数料が発生します(第21条第1項参照)。

このため、解約したいと考えていた場合に、本項にもとづいて引越し業者から確認の連絡があったときは、引越し業者に対して、解約の意思をを明確に伝えてください。

最終更新日2011年10月20日