標準引越運送約款条文解説
標準引越運送約款第7条第3項(荷造り)
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本頁では、標準引越運送約款第7条第3項(荷造り)について解説しています。
標準引越運送約款第7条第3項は、利用者からの申込みによる引越し業者の梱包について規定している条項です。
標準引越運送約款第7条第3項(荷造り)の条文
第7条(荷造り)
1 荷送人は、荷物の性質、重量、容積、運送距離等に応じて、運送に適するように荷造りをしなければなりません。
2 当店は、荷物の荷造りが運送に適さないときは、荷送人に対し必要な荷造りを要求し、又は荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
3 前2項の規定にかかわらず、当店は荷送人からの申込みに応じて、荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
標準引越運送約款第7条第3項(荷造り)の解説
趣旨
本項は、利用者から申込みがあった場合、引越し業者が荷物の梱包をおこなう旨を規定しています。
本項は「第4章 荷物の受取」の中の規定ですので、引越し当日の現場で、利用者から申込みがあった場合のことを想定しています。
なお、本項の「荷送人の負担」とは、利用者による追加負担であるものと思われます。
本項により、利用者からの申込みがあった場合は、引越し業者は、荷物の梱包をすることになります。
ただ、本項の規定の表現では、荷物の梱包が引越し業者の義務なのかどうかが必ずしも明らかではありません。言い換えれば、引越し業者が本項の梱包を拒否できるのかどうかがはっきりしません。
引越し業者のための注意点:事実上は対応せざるを得ない
本項が適用されるような状況、つまり、引越し当日の現場で利用者から荷物の梱包を申込まれた場合、引越し業者としては、対応せざるを得ません。
というのも、いかに引越し業者のドライバーに経験と技術があったとしても、梱包されていない荷物をトラックに積込むのは、不可能です。このため、最低限の梱包はせざるを得ません。
また、梱包されていないからといって、現場から引き上げてくるわけにもいきません(ただし、よほど悪質な場合や解約手数料の支払いがある場合を除く。第21条第1項参照)。
このため、事実上は、当日の梱包にも対応しなければなりません。この当日の梱包のために、対応するチームのスケジュールが狂うこともあり得ますので、特に配車の編成には、注意を要します。
ただ、当日に引越し業者が梱包をおこなった場合は、本項により、当然に利用者に対して追加料金の請求ができます。
利用者のための注意点:当然追加料金が発生する
引越し業者は、ギリギリのスケジュールでチーム編成をおこない、トラックを配車していますので、イレギュラーの発生があった場合は、あまりいい対応をしてくれません。
本項に該当するような当日の梱包作業が発生した場合、引越し業者としては、余分に時間がかかってしまうため、後の予定が狂ってしまいます。特に繁忙期の場合は、次の現場にかなりの悪影響を与ます。
このため、よほど少量の荷物でもない限り、本項により当日の梱包作業が発生した場合は、引越し業者は、追加料金を請求してきます。しかも、次の現場に与える影響によっては、高額な追加料金となることもあり得ます。
利用者としては、追加料金が発生することがないように、なるべく当日までに梱包は済ませてくべきす。また、やむを得ない事情により、梱包ができなくなった場合は、せめて作業当日ではなく、前日まで(なるべく早いほうが良い)に、引越し業者に連絡を入れて対応を決めておくべきです。