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標準引越運送約款条文解説

標準引越運送約款第20条第1項(事故等と運賃、料金)

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本頁では、標準引越運送約款第20条第1項(事故等と運賃、料金)について解説しています。

標準引越運送約款第20条第1項は、第13条第1項の規定による処分の費用・運賃等の支払いについて規定している条項です。

標準引越運送約款第20条第1項(事故等と運賃、料金)の条文

第20条(事故等と運賃、料金)

1 当店は、第13条第1項の規定により処分をしたときは、その処分に要する運賃、料金その他の費用を収受し、並びに当店が既に行った運送及びこれに附帯するサービスに要した運賃等を収受します。

2 当店は、第15条第2項及び第3項の規定により処分をしたときは、事故等が荷送人の責任による事由又は荷物の性質若しくは欠陥により生じた場合に限り、その処分に要する運賃、料金その他の費用を収受します。

3 当店は、荷物の一部の滅失若しくはき損又は遅延が生じた場合において申込みに係る運送を続行した場合は、運賃等の全額を収受します。

4 当店は、第15条第1項に規定する荷物の全部の滅失又は同条第2項に規定する荷物の相当部分の滅失又は全部若しくは相当部分のき損が生じた場合は、当該事故が荷送人の責任による事由又は荷物の性質若しくは欠陥により生じた場合に限り、当店が既に行った運送及びこれに附帯するサービスに要した運賃等を収受します。

5 第1項、第2項及び第4項の場合において、当店が既にその荷物について運賃等の全部又は一部を収受している場合には、第1項、第2項又は第4項の規定により当店が収受することとしている金額に充当し、余剰があるときは払い戻します。

標準引越運送約款第20条第1項(事故等と運賃、料金)の解説

趣旨

本項は、引越し業者が第13条第1項の規定による処分をおこなった場合における、処分の費用・運賃等の請求権について規定している条項です。

引越し業者が第13条第1項の規定により、荷物の搬出に立ち会った利用者(=荷送人)から荷物の運送の中止、返送、転送その他の処分の指図を受け、その処分をおこなった場合、本項にもとづき、利用者に対し、その処分に要する運賃、料金その他の費用を請求することができます。

また、これに加えて、すでにおこなった運送とこれに附帯するサービスに要した運賃等も請求することができます。

引越し業者のための注意点:本来の料金は「既に行った」もののみ

本項により、引越し業者は、荷物の運送の中止、返送、転送その他の処分(第13条第1項参照)について、追加で料金を請求できます。このため、これらの処分については、やむを得ない事情がない限り(第14条第1項参照)、引受けるべきです。

なお、見積書に記載された、本来請求できるサービスの料金のうち、実際に請求できる料金は、「既に行った運送及びこれに附帯するサービス」のもののみになります。

このため、途中で引越しを中止した場合などには、その中止した時点までにおこなったサービスの料金しか請求してはいけません。

利用者のための注意点:サービスの変更にはお金がかかる

本項により、引越し業者に対する荷物の運送の中止、返送、転送その他の処分の指図をおこなった場合(第13条第1項参照)、追加で料金を請求される可能性があります。このため、やむを得ない事情がない限り、このような指図はおこなうべきではありません。

なお、見積書に記載された、本来支払わなければならないサービスの料金のうち、実際に支払わなければならないものは、「既に行った運送及びこれに附帯するサービス」のもののみになります。つまり、実際に受けたサービスのぶんだけを支払うだけで済みます。

このため、途中で引越しを中止した場合などには、見積書に記載された料金が全額請求されたうえに追加料金まで請求される、ということはありませんし、あってはいけません。

万が一、引越し業者からこのような過剰な請求を受けた場合、しっかりとその内訳を説明したもらったうえで、問題があるときは、本項にもとづき、支払いについて交渉してください。

最終更新日2011年10月20日