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標準引越運送約款条文解説

標準引越運送約款第13条第1項(指図)

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本頁では、標準引越運送約款第13条第1項(指図)について解説しています。

標準引越運送約款第13条第1項は、荷物の搬出に立ち会った利用者からの指図による、引越しサービスの中止・変更の権利について規定している条項です。

標準引越運送約款第13条第1項(指図)の条文

第13条(指図)

1 荷送人は、当店に対し、荷物の運送の中止、返送、転送その他の処分につき指図をすることができます。

2 前項に規定する荷送人の権利は、荷受人に荷物を引き渡した時に消滅します。

標準引越運送約款第13条第1項(指図)の解説

趣旨

本項は、荷物の搬出に立ち会った利用者(荷送人)からの指図による、引越しサービスの中止・変更について規定しています。

荷送人は、引越し業者に対して、荷物の運送の中止、返送、転送その他の処分の指図をすることができます。

本項の文末が「できます。」となっており、また、第13条第2項に「荷送人の権利」となっていることから、本項は、荷送人の権利を規定したものであるといえます。ただ、第14条第1項で引越し業者による本項の指図の拒否権が規定されているため、実質的には、本項の指図は、荷送人と引越し業者が合意しなけれ有効となりません。

追加料金・費用の発生は?

本項の指図による処分がおこなわれた場合は、引越し業者は、その処分に要した運賃、料金その他の費用を請求することができます(第20条第1項参照)。

このため、本項の指図にもとづく処分は、無料というわけではありません。引越し業者としては、追加で料金を請求できますし、逆に利用者としては、追加で料金を請求されることになります。

引越し業者のための注意点:原則として指図には応じるべき

引越し業者としては、荷送人から本項にもとづく指図があったとしても、第14条第1項により、その指図に応じる必要まではありません(ただし、あくまで「運送上の支障が生ずるおそれがあると認めるとき」に限ります)。

ただ、実際に指図を断るとなると、荷送人とのトラブルになることも考えられますので、特に支障がない限りは、応じるべきであると思われます。なお、この際、追加料金を請求することは差し支えありません(第20条第1項参照)。

利用者のための注意点:無茶な要求はできない

利用者としては、いかに本項による権利があるとはいえ、引越し業者にも第14条第1項にもとづく拒否権があります。このため、引越し業者が対応できないような不当な要求は拒否されます。

そのような意味では、本項にもとづく指図は、あくまで緊急事態の場合や、やむを得ない事情がある場合に限っておこなうべきです。

また、本項の指図による処分は、追加料金の対象となります(第20条第1項参照)。

最終更新日2011年10月20日