標準引越運送約款条文解説
標準引越運送約款第7条第1項(荷造り)
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本頁では、標準引越運送約款第7条第1項(荷造り)について解説しています。
標準引越運送約款第7条第1項は、引越し業者の利用者による荷物の梱包の義務について規定している条項です。
標準引越運送約款第7条第1項(荷造り)の条文
第7条(荷造り)
1 荷送人は、荷物の性質、重量、容積、運送距離等に応じて、運送に適するように荷造りをしなければなりません。
2 当店は、荷物の荷造りが運送に適さないときは、荷送人に対し必要な荷造りを要求し、又は荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
3 前2項の規定にかかわらず、当店は荷送人からの申込みに応じて、荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
標準引越運送約款第7条第1項(荷造り)の解説
趣旨
本項は、利用者の荷物について、利用者自身が荷造りをしなければならない旨を規定しています。
実際にどの荷物を梱包しなければならないかは、引越し業者が提供するサービスの内容によります。この点について、引越し業者・利用者がおこなうべき荷物の梱包の範囲は、見積りの段階で、明確に取り決められているべきです。
なお、当然ながら、引越し業者がすべての荷物を梱包するサービスの場合は、本項は適用されません。
引越し業者のための注意点:自社梱包の場合は責任を負う
本項により、利用者がおこなうべき荷物の梱包については、利用者の義務ということになります。
この点について、大部分の利用者は、特に問題なく荷物の梱包をするものと思われますが、一部の利用者は、営業員との連絡の不徹底などが原因により、部分的に荷物を梱包しないことも考えられます。
このような場合は、第7条第2項または第7条第3項により、利用者または引越し業者が荷物の梱包をおこなうことになります。
なお、利用者が荷物を梱包した場合において、利用者の梱包が不適切であったことが原因で梱包された荷物が破損したときは、引越し業者は、免責されます(第23条第8号参照)。
当然ながら、引越し業者が自社の引越しサービスの一環として利用者の荷物を梱包した場合において、梱包した荷物が破損したときは、引越し業者の責任となり、原則として免責されることはありません。
利用者のための注意点:素人には厳しい自己責任
本項により、荷物の梱包は、原則として利用者自身がおこなわなければなりません。しかも、その梱包にミスがあって荷物が破損した場合は、引越し業者には補償してもらうことができません(第23条第8号参照)。
このように、荷物の梱包については、利用者は、大きな責任が課されます。
ただ、引越しにおける荷物の梱包は、面倒で時間がかかるだけでなく、知識・経験・技術が必要です。このため、予算に都合がつくのであれば、なるべくすべての荷物の梱包を引越し業者に任せるべきです。
予算に限りがある場合であっても、食器の梱包や、せめて家電製品の梱包くらいは、引越し業者に任せるべきです。