現在の閲覧ページ

トップページ > 条文解説(目次) > 第7章 事故(目次) > 標準引越運送約款第16条第2項(危険品等の処分)

標準引越運送約款条文解説

標準引越運送約款第16条第2項(危険品等の処分)

スポンサード リンク

本頁では、標準引越運送約款第16条第2項(危険品等の処分)について解説しています。

標準引越運送約款第16条第2項は、第16条第1項に規定する危険品等の処分に要する費用負担について規定している条項です。

標準引越運送約款第16条第2項(危険品等の処分)の条文

第16条(危険品等の処分)

1 当店は、荷物が危険品等他の荷物に損害を及ぼすおそれのあるものであることを運送の途上で知ったときは、荷物の取卸しその他運送上の損害を防止するための処分をします。

2 前項に規定する処分に要した費用は、荷送人の負担とします。

3 当店は、第1項の規定による処分をしたときは、遅滞なくその旨を荷送人に通知します。

標準引越運送約款第16条第2項(危険品等の処分)の解説

趣旨

本項は、第16条第1項に規定する危険品等の処分に要した費用を荷物の搬出に立ち会った利用者=(荷送人)が負担するべきことが規定されています。

第16条第1項の処分は、危険品等の他の荷物に損害を及ぼすおそれのあるものの取卸しなどの処分です。

本来、危険品等は、原則として引越し業者が運ぶことを拒否できるものです(第4条第2項第4号参照)。また、利用者の側も、引越し業者の求めに応じて、その存在を明らかにしなければならないものです(第8条第1項参照)。

つまり、このような危険品等は、引越し業者がそれと知って(=引越し業者が故意で)運んだ場合を除いて(第16条第1項の「運送の途上で知ったとき」参照)、荷物として運ぶことができないものであるといえます。

それにもかかわらず、利用者側の故意または過失で、このような危険品等が荷物に入ってしたことが運送の途中で発覚した場合は、その費用は、利用者(=荷送人)が負担するべきものです。

引越し業者のための注意点:遠慮無く対処する

本項により、第16条第1項の処分に要する費用は、利用者負担となります。このため、危険品等については、遠慮なく対処することができます。ただ、多額の費用がかかる場合は、その費用を利用者から回収できない可能性があるため、慎重に行動する必要があります。

利用者のための注意点:危険品等は梱包しない

危険品等が引越し業者によって発見された場合は、第16条第1項により、運んでいる途中で降ろされ、場合によっては廃棄処分にされてしまう可能性があります。また、その費用は、本項により、利用者の負担となります。

この他、危険品については、事故が発生したとしても、補償の対象外(第23条第24条第1項第24条第2項参照)となる可能性が高いため、荷物として梱包するメリットがほとんどありません。このため、危険品等は梱包するべきではありません。

特に、灯油などは、ストーブに入れたままうっかりと梱包してしまいがちですから、しっかりと抜いてガソリンスタンドなどで処分してもらったり、使いきって空焚きをしたりするなどして、対処してください。この際、念のため、ストーブの点火に使う電池も抜いておくべきです。

最終更新日2011年10月20日